取り巻く環境

社会環境、労働環境などの急激な変化により、仕事や職業生活に強い不安や悩み、ストレスを抱える人は増加傾向にあります。

このため、心の不調による休職や離職もまた増加しています。

 働く人たちがその持てる能力を発揮し、仕事や職場で活躍するためには、心の健康管理(メンタルヘルス・マネジメント)への取り組みが重要になってきています。

 ※近年、「健康職場モデル」(NIOSH)という考え方が定着しつつあります。労働者の健康や満足度と職場の生産性や業績には相互作用がある、というものです。

 メンタルヘルス対策は、個人の問題ではなくなってきています。

 

従業員の健康を維持し、企業の成長につなげる「健康経営」

 「健康経営」とは、従業員等の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践することです。企業理念に基づき、従業員等への健康投資を行うことは、従業員の活力向上や生産性の向上等の組織の活性化をもたらし、結果的に業績向上や株価向上につながると期待されます。(経済産業省)

 

※ある大手企業が「健康経営で企業力UP!」社員の健康が企業の価値を上げる、という取組みをしています。

 長期的展望に立ち、人員的生産性、業務効率を上げるため「予防に対する投資」を行っています。(無料トレーニングなどを推奨し、全社レベルで社員が競い合い、有休や商品がもらえるなど)

 「健康経営格付」により融資の金利を決める銀行も出てきています。

 企業イメージがアップすることもあり、取り組む企業も増えつつあります。

 

ワークエンゲイジメント という考え方

(オランダのユトレヒト大学のウィルマー・B・シャウフェリ教授が提唱)

 

・仕事に誇りややりがいを感じている(熱意)

・仕事に熱心に取り組んでいる(没頭)

・仕事から活力を得ていきいきとしている(活力)

の3つがそろった状態のことです。

 

バーンアウト(燃え尽き)の対概念と位置づけられています。

メンタルヘルス対策をすることで、
社員が心身ともに健康に働ける職場をつくり、組織の力を高め、生産性を向上することにより、経営の安定へとつながり、ひいては働く人やその家族、社会全体にめぐっていけるような流れをつくれたら良いですね。

(参考)
1975年ILO総会 事務総長報告
「労働のあり方3原則」
 1.労働は、それによって健康が阻害されることがあってはならない。
 2.労働は、家庭生活や社会的文化的生活が圧迫されるものであってはならない。
 3.労働は、人のため・社会のために役立っているという誇りが持てるものでなくてはならない。
※国際労働機関(ILO)はディーセント・ワーク(Decent Work = 働きがいのある人間らしい仕事)の実現に取り組んでいます。
 ILO総会には、日本からの代表として 外務省・厚生労働省、経団連、連合 が選ばれています。

労働安全衛生法と安全(健康)配慮義務

  • 労働安全衛生法により、職場における労働者の安全と健康を確保するため、事業者と労働者の責務が規定されています。
  • 安全配慮義務は労働契約法第5条に「使用者は、労働契約により、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働する ことが出来るよう、必要な配慮をするものとする。」と定められています。

   (危険予知義務、結果回避義務)

 

  判例では

  「労働者の生命および健康等を危険から保護するよう配慮

   する義務」

  「労働者の生命及び身体等を危険から保護するよう配慮

   すべき義務」

  とあります。

  • 場合によっては、行政指導、刑事罰、民事上の損害賠償責任が問われることがあります。
  • 労働者には労働災害防止措置について遵守義務があります。(労働安全衛生法 第26条)

動画で学ぶメンタルヘルス教室(こころの耳)

 メンタルヘルスケアの必要性とその役割

こころの健康づくり4つのケア

  • セルフケア :労働者自身がストレスに気づき、対処することです。
  • ラインケア :管理監督者が職場の健康管理をすることです。
  • 事業場内産業保健スタッフによるケア :産業医、保健師、人事労務管理スタッフ、衛生管理者等による健康管理です。
  • 事業場外資源によるケア :専門的知識のある公的機関や民間機関による支援サービスを活用することです。

 

 ※職場環境の変化から生じるストレスは、労働者個人の力だけで改善することは困難であり、事業場としての取り組みが必要になってきています。

 ILOの報告では、職場ストレス対策の成功事例の半数以上が職場環境の改善を通した対策であり効果的であった、とされています。

メンタルヘルスケアを推進するには、

健康情報を含む個人情報の保護、個人の意思の尊重に留意する必要があります。

また、就業規則などでのルールづくりが必要です。

 

※お手伝いできることがありましたらご相談ください。

予防をしましょう

  • 一次予防:そもそも健康問題を発生させないようにすること。

  (働きやすい職場づくりによるストレス対策です。)

  • 二次予防:病気を早期に発見し対処することで問題を小さいうちに改善しようとすること。

  (チェックリストなどによる情報収集が必要です。)

  • 三次予防:健康問題が発生した場合に行われる専門的治療、再発防止など。

※職場の環境改善には「トップの方針」が必要です。

 

 会社のビジョンが会社全体で共有される必要があるからです。

 また、スタッフを正当に評価することが推進力となります。

ストレスチェック

過労や睡眠不足、ストレス状態が長く続いたときなどに、免疫力が低下して、健康を害するときがあります。

 以下のサイトでストレスの程度をおおよそ知ることができます。

 

 ※ストレスの把握と早期発見・早期対応が大切です。

 ※同僚や友人、家族と話すことで、ストレスを緩和できたり

  整理できることがあります。また、適度な運動は

  ストレス解消や気分転換にも役にたちます。

 

こころの耳 :厚生労働省委託事業 日本産業 カウンセラー協会

職業性ストレス簡易評価ページ 

労働者の疲労蓄積度チェックリスト

           :中央労働災害防止協会(中災防)

こころほっとライン :厚生労働省

  働く人のメンタルヘルス不調や過重労働による健康障害に関する電話相談窓口 (平成28年9月から) 

メンタルヘルス支援機関

中央労働災害防止協会(中災防):労働災害防止団体法に

 もとづく特別民間法人 です。

産業保健推進センター:独立行政法人労働者健康福祉機構が 

 全国47都道府県に設置しています。

地域産業保健センター:労働基準監督署ごとに設置され、

 医師会が運営委託されています。(大阪府

精神保健福祉センター:精神保健福祉法に基づき、都道府県 

 に設置される機関です。「こころの健康総合センタ-」

 という名称になっている所もあります。

勤労者心の電話相談:労災病院の勤労者予防医療部が

 開設しています。

地域障害者職業センター:高齢・障害・求職者雇用支援機構が

 全国47都道府県に設置・運営する施設です。

    大阪障害者職業センター

商工会議所:一定地区内の商工業者によって組織される

      公益経済団体 (大阪商工会議所

健康保険組合 :全国健康保険連合会

 メンタルヘルス相談に関するサービスが異なっています。 

保健所(保健センター):保健所一覧

 市町村単位で地域住民の保健相談、訪問指導をしてくれます。

 (事業所ではなく、本人とその家族が対象です。)

いのちの電話 : ボランティア団体

大阪府 悩みの相談窓口

個人情報保護士

PIIP

(Protection of Individual Information

Person)

登録者はPiiPロゴの使用ができます。

マイナンバー対応個人情報保護士

Professional